Dトラッカー(LX250E)

他に先駆けて、いち早くモタードモデルとして登場したのが「Dトラッカー(LX250E)」

「スーパーモタード」。オフロードタイプからの派生モデルではあるが、新たなストリート系としてのポジションも定着してきたことから、近年各社がラインナップを充実させてきているのはご存知の通り。ホンダのXR250モタード(MD30)、XR400モタード(ND08)、ヤマハのXT250X(DG17J)、WR250X(DG15J)、スズキのDR-Z400SM(SK44A)などに加え、外国車を含めれば、大排気量モデルまで幅広くラインナップしている。また、小排気量車でも、XR50モタード(AD14)、XR100モタード(HD13)があり、カワサキがいち早く提唱した元祖ミニスーパーバイカーズKS・KSRシリーズの現行モデルKSR110(KL110A)と、以外にも選択肢の幅が広いのだ。そんな状況をカワサキは予測していたのか、1998年にKLX250(LX250E)をベースにモタードカスタムを施して登場したのがDトラッカーとなる。

キック始動で倒立フォークのKLX250SR、セル始動で正立フォークのKLX250ESがモデルチェンジでKLX250に統合され、それをベースとしたDトラッカーは、φ43mmの倒立フォークやセル始動、60/55Wのヘッドライト、多機能デジタルメーターなどの装備は同じ。前後ホイールを17インチに小径化し、幅を95mm詰めたハンドルを装着するなど、オンロードでの走行を快適にする変更が施されている。2001年には触媒と二次空気導入機構を組み合わせた排ガス浄化システムKLEENを装備、2004年には外装の形状変更とリアのリムをワイド化といったマイナーチェンジを受ける。レースシーンでは空冷のXR250モタードに対してアドバンテージがあり、高い戦闘力を見せつけている。排ガス規制の影響で継続ラインナップが心配されたが、2008年、インジェクションの搭載でフルモデルチェンジしたDトラッカーXに生まれ変わった。

主要諸元(1998年発売モデル)

型式 LX250E エンジン 水冷4ストDOHC単気筒
全長(mm) 2065 排気量(cc) 249
全幅(mm) 790 最高出力 30ps/8500rpm
全高(mm) 1175 最高トルク 2.6kg-m/7500rpm
シート高(mm) 865 変速機 6速
乾燥重量(kg) 118 始動方式 セル
燃料タンク容量(L) 8 ブレーキ形式(前/後) ディスク / ディスク
タイヤサイズ(前/後) 前:110/70-17 後:130/70-17

Dトラッカー(LX250E)の歴史

KLX250SR(LX250E) 1993年

カワサキ KLX250SR(LX250E)
ビッグエンデューロKLX650を、まるで日本向けにスケールダウンさせたようなスタイリングで登場したKLX250SR(LX250E)。レーサーKLX250Rと双生児モデルだけあって、ペリメーターフレームにメッキシリンダー採用の新設計水冷DOHCエンジンを搭載し、16段階減衰力調整可能な倒立フォークを採用するなどレーサー同様の仕様を誇る。1994年にはセル、正立フォークを採用したKLX250ESも登場。1998年にはこの2モデルが統合されモデルチェンジ。車名がKLX250となる。

Dトラッカー(LX250E) 1998年

カワサキ Dトラッカー(LX250E)
モデルチェンジでKLX250SR(キック、倒立フォーク)とKLX250ES(セル、正立フォーク)がKLX250に統合され、それと同時に登場したのがDトラッカー。今でこそ「スーパーモタード」という呼び名が一般的になっているが、当時でいうスーパーバイカーズを他メーカーに先駆けて登場させたのがカワサキとなる。KLX250をベースに前後17インチホイールや幅の狭いハンドルを装備し、キャスター角を立てることで、よりオンロード向けのセッティングに変更されている。

スズキ 250SB(LX250L) 2002年

スズキ 250SB(LX250L)
バリオスとGSX250FXの関係と同様にカワサキからスズキへOEM供給されたモデルが250SB(LX250L)。エンジン、車体、足回りなどはDトラッカー(LX250E)そのもので、異なるのは外装のみ。DR-Z400系のカラーリングやグラフィックを採用し、Dトラッカーとの差別化を図った。DR-Z400SMはラインナップしているが、DR250R(SJ45A)をベースとしたモタードモデルは登場しなかったため、スズキ唯一の250ccクラスモタード車となる。

DトラッカーX(LX250V) 2008年

カワサキ DトラッカーX(LX250V)
2008年4月にモデルチェンジ。フューエルインジェクション、マフラー内のハニカムキャタライザー(触媒)、二次エアシステムにより排ガス規制をクリア。エキパイ、サイレンサーはオールステンレスとなった。前後足回りは専用セッティングが施され、アルミ製D断面スイングアーム、前後ブレーキにはペダルディスクを採用した。先代よりもシャープなデザインとなった外装は、アグレッシブな雰囲気を醸し出している。同時にモデルチェンジしたKLX250(LX250S)も足回り以外はほぼ同様の仕様となっている。