オートバイ人気 急加速 低燃費、小回り性能 便利さ再認識

東日本大震災の後、被災地を中心にオートバイ人気が高まっている。車に比べ低燃費で、小回りが利くことから、その便利さが再認識された。自動車学校では教習生も増え、販売店での売れ行きも伸びているという。
 仙台市若林区の会社員阿部幸次さん(39)は今月、宮城野区の「R45・日の出自動車学校」に入校した。取得を目指すのは普通自動二輪免許(125cc~400cc)。震災で車が流され、通勤手段の電車が一時利用できなくなったこともあって取得を決めた。
 「オートバイは震災時にも活用できた。渋滞にも巻き込まれず、燃料も少なくて済む。高速道路も走れる」と阿部さん。
 同校では営業を再開した4月以降、自動二輪教習の教習生が増加した。特に伸びている普通自動二輪で、6月の入校生は前年比4.4倍の22人に上る。平年は梅雨に入ると生徒が減るが、ことしはずっと増えているといいう。
 宮城県柴田町の仙南自動車学院でも4~5月の教習生は例年の4倍超。同校は「7月になっても平年の2倍程度。指導教官のやりくりに苦労している」と話す。
 宮城県指定自動車教習所協会(仙台市)によると、オートバイ人気は全県的な傾向だという。菊地善弘専務理事は「3、4月に取得を予定していた人たちの需要がずれ込んでいた面もあるが、震災で二輪の小回りの良さや低燃費が見直されているのだろう」と見る。
 オートバイ需要も高まっている。宮城、山形両県に12店舗を展開する早坂サイクル(仙台市)では震災後一時動きが止まったものの、中古車を中心に販売台数は前年比で50%程度伸びている。
 同社は「原付きバイクや悪路でも小回りがきくオフロードバイクが特に品薄状態。災害時の足として、二輪が見直されている」と説明する。
 オートバイ販売最大手のレッドバロン(愛知県岡崎市)でも「阪神大震災の直後同様、全般的に二輪の売れ行きが伸びている」とした上で、「阪神大震災では需要は一過性だったが、今回は被災範囲が広い。今後、需要動向がどうなるか注視したい」と話している。

河北新報

小回りきく二輪車人気

asahi.com

津波から逃げる際に各地で車の渋滞が発生した被災地で、小回りがきく二輪車の免許を取得しようという被災者が増えている。仮設住宅からの通勤や復興関係の車による新たな渋滞も二輪車を選ぶ理由だ。

 石巻市の石巻第一自動車学校では、二輪車の免許取得を目指す入校者が5月は30人で、前年同期比の3倍にのぼった。

 自宅が大規模半壊して車も流された男性(44)は当初、原付きバイクに乗っていた。だが、「中古オートバイなら何とか買えそう。津波が来たら、二輪の方が逃げやすい」と免許取得を目指すことにした。

 市内では、復興関係の車両で所々で朝夕の渋滞が続く。佐藤和徳校長は「二輪は通勤などに便利という声も聞く」と話す。

 岩手県宮古市の「花輪橋自動車教習所」でも5、6月は、例年の約2・5倍の申し込みが来ている。27日現在で申し込んだ156人のうち、二輪車は67人だった。

 その一人、製造業早野孝之さん(26)が普通二輪車の免許を取る理由は、ガソリンの節約と同時に渋滞対策だ。内陸部の仮設住宅から市街地方向に向かう道は朝夕、激しく渋滞する。「値上がりしたガソリン代金も節約できるし、車より小回りがきく」と話した。

 5、6月の入校者を対象に復興支援として料金を2割下げたこともあり、教習所の稼働率は普通車やトラック、ブルドーザーを含めて95%を超える。「これからがようやく復興という時期」として、7月以降も9月まで値下げを継続することを決めた。

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